格安SIMを選ぶのに店舗販売を選んだ方がいいのか?!
ドコモ・au・ソフトバンクの3大キャリアは全国にショップがあり、販売からサポートまで非常に手厚く対応しています。格安SIMを販売するMVNO(格安スマホを販売している会社)は基本的に店舗はなく、それら設備費などがないことによって料金を安くすることができています。そのため格安SIMを利用する場合はある程度自分で問題を解決することが求められてきました。
しかし格安SIMも提供する会社が次々に出てきて格安SIM市場が充実することにより、店舗でサポート・販売をするところも多くなってきました。ここでは店舗展開する代表的な格安SIMのいくつかと店舗で購入した方がよいのかどうかを紹介します。
店舗があるMVNOで格安SIMを購入するメリット
格安SIMは店舗で購入した方がよい点とネットで購入した方が良い場合があり、主に以下の様なメリットがあります。
申込したら即日MNPでSIMを手に入れることができることが多い
店舗販売している格安SIMではMNP(ナンバーポータビリティ・電話番号そのままで他社へ乗り換えできる仕組み)も含め、即日対応してくれる場合が多いです。ただし受付しかしてくれなく結局は後日郵送というパターンもあります。
端末とセットで購入する場合、直接スマホ端末を触ることができる
スマホ端末を用意していなくこれから購入する際、店舗で直接端末を見ることができる場合があります。ただ格安SIMを展開しているMVNOで独自で端末の開発・販売を行っているのはFREETELくらいです。
それ以外のMVNOはスマホと格安SIMのセット販売をする場合、たいていは海外製のSIMロックフリースマホだったりすることが多く、家電量販店の店舗で確認できることがほとんどであり家電量販店の店員に聞けば事足ります。そもそも3大キャリアのスマホ以外、海外製スマホは相当大きな家電量販店の店舗以外はおいていないこと自体もあります。
店員から直接、説明を受けることができる
ネットで情報を集めたりするのが得意でないけれども、スマホの料金をどうしても抑えたい場合は店舗で直接聞いて格安SIMを選べることはメリットです。また最近は家電量販店で格安SIMを積極的に扱い始めたため、家電量販店で販売している格安SIMであれば店員から話を聞くことができます。
ただ新規でSIMを購入する場合は店舗でそのまま購入するとスムーズですが、MNPで乗り換えをする場合は時間がかかるため、店舗で情報収集した後にネットから購入する方がよい場合もあります。
トラブルが起きた時に直接店員に相談できる場合もある
店舗で購入した場合も、ネットから購入した場合も同じですが、店舗展開している格安SIMではサポートの電話対応だけでなく、その店舗でサポートを受けることができる場合もあります(一部有料でのサポートしか受け付けない格安SIMもあります)。ただほとんどの場合、店舗スタッフでは簡単な操作説明以外については専門的な対応はできないため、結局は電話やメールのサポートへ相談することになります。
店舗があるMVNOで格安SIMを購入するデメリット
店舗までわざわざ行かなければならない
当たり前ですが店舗に行く必要があり、わざわざ店舗に出向くのは面倒で時間もかかります。キャリアほど店舗がないため、特に地方の場合は店舗にいくのが大変です。
待ち時間が長いことが多い
場合によりますが待ち時間が長いことが多い印象です。キャリアのショップのようにスタッフの人数が常に揃っているわけではないため、スタッフの人数に対して客の数が多く、キャパオーバーになってしまうこともあります。受付ブースが他社と共同で利用していることも多く、特に休日は混雑して待ち時間が長くなります。
店舗まで行ってもブースすらなく家電量販店の店員が受付するだけの場合もある
キャリアとは違い格安SIMの展開しているブースなどは一部を除き小さいことが多いです。店舗までわざわざ行っても対応できるスタッフがおらず無駄足になることすらあります。また端末などはなく、レジで申込の受付をしているだけということも実際にあり、いくだけ無駄ということもあります。このあたりはキャリアと違い仕方がありません。
即日MNPを対応してくれる場合も対応に時間がかかる
即日対応であっても受付後、新規のSIM購入で早くても1時間は最低かかります。さらにMNPになれば最初の申込で1時間程度かかった後、その後のMVNO側の手続きで1〜3時間程度待たされ、その間時間を潰さなくてはなりません。
MNPをする場合は、ネットで購入後、SIMが届いてから電話ですぐにMNPのSIM切り替えができる格安SIMもあり、使えない時間が非常に短く、面倒な待ち時間も発生しないためおすすめです。
具体的に例えばFREETELはMNPで乗り換えの場合もネットで申込してから翌営業日にはSIMを発送してくれ、SIMが届いてから電話で切り替えをしたい旨を伝えると15分ほどで切り替わり、MNPしたSIMが利用できるようになります。店舗で手続きするよりも圧倒的にスムーズに手続きが完了します。
SIMが届いてから、電話やWebからの申込で即日MNPでSIMの切り替えができることが多くなってきており、以下は即日MNPできる格安SIMの一例になります。
- FREETELの「電話でパッとMNP」
- IIJmioの「おうちでナンバーポータビリティ」
- OCNモバイルの「らくらくナンバーポータビリティ」
- NifMoの「ネットでナンバーポータビリティ」
- U-mobileのMNP
- 楽天モバイルのMNP
店舗がある格安SIMの比較
実際に店舗展開している格安SIM事業者(MVNO)の代表例を紹介していきます。
「イオンモバイル」は全国のイオン店舗で対応してくれ人気沸騰中!
イオンモバイルは2016年2月にリニューアルし、全国200店舗以上のイオン店舗で販売・サポートをしてくれます。今までは他社MVNO(格安SIMの会社)の代理店として格安SIMを販売していただけでしたが、イオン自体がMVNOとなり事業者としてイオンモバイルを販売する方式に切り替えています。
人気がありすぎて申込対応が追いつかない状況が続いていましたが、2016年4月中旬より順次即日MNPにも対応が通常通りできるようになってきているようです。
料金プランが豊富で、イオンモバイルは0.5GBプランから50GBのプランまで幅広く対応するプランがあります。たいてい他社の格安SIMプランでは容量が大きくても10GBプランまでしかないことがほとんどです。
音声通話プラン・データ通信プラン・シェアプランなどがあり、料金プランは格安SIMの中でも最安水準であるため申し分ないといえます。月のプラン上限容量を超えると200kbpsの速度に制限されますが、それ以外の制限(3日間での上限など)は今のところないのはよい点です。
解約時の手数料がゼロであり、最低契約期間などがないところも大きな魅力のひとつです。ただしイオンモバイルで契約後にMNPで他社へ乗り換えるときは180日以内だと8,000円とやや高めなので注意が必要です。キャリアに比べればこれもある意味高くはないと言えます。
注意点としてはすべてのイオンで取り扱っているわけではない点と、半数以上の店舗ではイオン店舗で申込だけして後日配送される対応が多いことなどです。この辺りは今後変わってくるかもしれません。取扱店でも在庫の関係などでは即日受け渡しではないようです。店舗によってはMNP(ナンバーポータビリティ)も即日対応してくれますが、端末セット商品によっては3~5日程度かかってしまうこともあるようです。
一番気になるところとしては、今は回線も快適に使えていても人気がありすぎて急激に加入者が増えることにより回線が一気に混雑する心配があるところです。MVNE(MVNOの仲介)はIIJのようで今後の回線速度は気になるところです。
何はともあれ、店舗型の格安SIMを選ぶのであればイオンモバイルは有力な1つの選択肢と言えるでしょう。
「BIC SIM」は全国のビックカメラ・ソフマップ・コジマで対応
BIC SIMはビックカメラグループが展開する格安SIMで、全国のビックカメラ、ソフマップ、コジマデンキで手に入れることが可能です。ネットでももちろん入手は可能です。
BIC SIMは中身がそのままIIJmioですが、Wi2という公衆無線LANが無料で付随するため、IIJmioで契約するよりもお得になっています。この特典以外の料金プランはIIJmioと全く同じなので平均的な料金プランであり、条件があえば有力候補となるでしょう。高速通信クーポンON/OFFや通信容量の翌月繰り越しなどもIIJmioそのままに使えます。
即日で開通できるよう対応をしてくれるため、急ぎの場合は店舗に設置されているBIC SIMカウンターで手続きできる点が非常に便利です。端末も選びたい場合は店舗でそのまま選べるのでその点も店員に聞けることは初心者などにはメリットと言えそうです。
「ワイヤレスゲートSIM」はヨドバシカメラ店頭でも購入可能
ワイヤレスゲートSIMは東証1部に上場しているワイヤレスゲート社が展開する格安SIMです。ワイヤレスゲート社の筆頭株主がヨドバシカメラであり結び付きが強いことからも、ヨドバシカメラでの展開を積極的に行っています。
料金プランは今までは下り150MbpsのLTEプランをメインに展開していましたがこのプランの新規販売を2016年3月末に終了しており、新規の「Fonプレミアムプラン」に集約してきています。Fonプレミアムプランは最大3Mbpsまでしか出ないものの使い放題のみを3000円程度の格安料金で提供するという、個性的なプラン展開をしています。1日の通信容量上限なども無いようなので、速度が安定しているかどうかは別として、速度をあまり求めないのであればこのプランもありかもしれません。ちなみに同じような他社プランでぷららLTEモバイルの使い放題プランがあります。
Fonプレミアムプランでは解約する場合に解約金がないことも大きな特徴です。ただし契約後にMNP転出するときは12ヶ月以内の解約で11,800円かかるため注意が必要です。またワイヤレスゲートSIMの契約をするとワイヤレスゲートWi-Fiが無料で使えることも大きなメリットです。
楽天モバイルは全国に独自店舗を展開
全国に楽天モバイルの手続きなどが行える店舗・ブースを展開しています。楽天モバイル専用の店舗としては7〜8店舗でスペースも小さいですが、代理店の出張所ブースのようなものまで含めると全国50箇所以上あり店舗での対応も強化してきています。
私は楽天カフェ 渋谷公園通り店で実際に購入もしたことがありますが、端末とSIMセットで1時間程度の手続きで手に入れることができ、非常に丁寧に対応してくれました。楽天モバイルとしてのスペースは狭いですが、カフェと併設されている店舗はMNP手続きで待たされるときなどは便利です。
楽天モバイルはネットからの申込が簡単でスムーズですが、スマホとセットで購入を検討していて端末を実際に触りたい時は店舗で確認してみてもよいかもしれません。楽天モバイルはサポートがかなりしっかりしているイメージがあるのでオススメできます。
FREETEL(フリーテル)は主要なヨドバシカメラ・ビックカメラにブースがある
FREETELは家電量販店の約30店舗ほどに自社の従業員を派遣するなどしてブース(一部除く)を出しており店舗にて受付してくれます。ヨドバシカメラ23店舗、ビックカメラ6店舗、その他1店舗といった割合でヨドバシカメラに多くブースがあります。
FREETELはSIM以外にも自社でスマホやガラケー端末を開発・販売しているため、大型店のブースではFREETELの端末を実際に触って試すことが可能です。
実際に店舗でMNPで購入したこともありますが、そこまで人気はないためかある程度スムーズに手続きは完了できました。ただしMNPは切り替えの待ち時間はやはりかかります。店員の対応も非常に丁寧です。さらにネット経由でもSIMを購入した際に、トラブルがあったときに店舗で相談したところ、ネットで購入したSIMであってもサポートをきちんとしてくれ大変助かりました。
店舗数は少ないもののFREETELでの購入も大変おすすめです。
店舗展開している格安SIMのまとめ
店舗展開している格安SIMは不安なのでどうしても直接説明を聞きたいという人には便利です。逆に時間を取られるのが嫌な人は、ネットで格安SIMを購入した方が便利といえます。ネット経由で即日MNPができる格安SIMも充実してきています。
実際に店舗の方が安心できるという心情はわからなくもないですが、わからない点があればサポートへ電話やメールをすればよいだけであり、端末を直接触りたい場合以外はあまり店舗に出向く必要性はないように私は感じております。
イオンなどのように身近に格安SIMを販売しているところも増えてきているので、ドコモ・au・ソフトバンクのキャリアで高い携帯料金を払っていて疑問を持っている方は一度、格安SIMを検討してみることをおすすめします。