格安SIMの通信速度はキャリアと比べてどうなのか、気になる方は多いと思います。この記事では格安SIMの通信速度について解説していきます。
格安SIMを運用するMVNO各社はドコモなどのキャリアが保有する回線の一部を借りて運用をしています。
そのためドコモの回線に余裕があっても、格安SIMのユーザが集中して利用をするとその間は回線が圧迫され速度が遅くなります。この現象が顕著に現れるのがサラリーマンやOLが昼休みで利用が集中する昼の12〜13時であり、この時間帯は格安SIMを利用しているユーザは速度が一気に遅くなる傾向があります。
平日昼の12〜13時は格安SIMは劇的に通信速度が遅くなってしまう
具体的には、他の時間帯は10〜20Mbpsの速度が出ている格安SIMでも、昼12〜13時付近の時間帯には1Mbps以下になることがほとんどです。 ひどい格安SIMだと0.02〜0.05Mbps程度しか速度が出なくなり、サイトの閲覧などが全くできなく使い物にならない状態になるものもあります。
格安SIMは昼の時間帯(12〜13時)は一気に遅くなるものであるということを認識しておき、その上でその格安SIMを選ぶかを考える必要があります。昼休みに外食してスマホでサイト閲覧などネットをする方は昼でも速度が落ちにくい格安SIMを選ぶ必要があります。
ただし使い方によってはこれを気にしなくてよい場合もあります。
この時間帯に「会社でWi-Fi回線でネットしている」、「在宅中で家のWi-Fiにつないでいる」など、Wi-Fiにつないでスマホを利用している場合は関係ないということになりますので、気にする必要がありません。
また昼12〜13時に回線速度が遅くなるのは平日のみで土・日・祝日はいきなり遅くなることはありません。平日でも13時過ぎには多少の回線混雑はあるもののページが見れないほどの混雑は緩和されることが多いです。
他にも昼の時間帯ほどではないですが、多少遅くなる傾向がある時間帯もあります。
- 朝の通勤ラッシュと重なる7〜9時台
- 帰宅時間帯の17〜18時台
- 夜間家でネットをしていると思われる20〜23時の時間帯
にややネットが重くなる傾向が格安SIM全体で見受けられます。これらも理由は同じで、格安SIMはドコモなどの回線を間借りしている状態のため、ユーザの利用が集中すると通信回線が遅くなるということです。
格安SIMでも昼12〜13時に遅くならない格安SIMがある!
ほとんどの格安SIMは昼の時間帯に劇的に遅くなります。
キャリアから借りている回線のコントロールは各社まちまちであるため、昼12〜13時において
- 全く使えないほどに遅くなる格安SIM
- 遅くはなるが1Mbpsは出ており何とか利用できる程度の格安SIM
- ほとんど影響を受けず10Mbps以上出ている格安SIM
に分かれます。
多くの格安SIMは1Mbps以下になってしまい、頑張っている格安SIMでも1Mbpsギリギリ出ているくらいのところが多いです。
格安SIMは現在ユーザがどんどん増えている状況。そのため、先月までは快適だった格安SIMが次の月には遅くて使いものにならないということも多々あります。「○○○の格安SIMが速いらしい」という噂が立つとその格安SIMの契約数が一気に増えて逆にいきなり遅くなるということもよくあるパターンです。
このあたりは格安SIMを運営するMVNOのコントロール次第。ユーザが増えたら回線をその分しっかり増やして常に余裕がある状態にしてメンテナンスしてくれているMVNOが運営する格安SIMを選ぶべきなのです。次に昼でも速度が低下しにくい格安SIMを紹介します。
FREETEL(フリーテル)は常に速度をキープしている
FREETELはここ数ヶ月間、安定して速度が速い数少ない格安SIMです。FREETELは現在も速度は12〜13時台でも15Mbps以上出ており、体感の速度でも全く問題なく利用できます。テザリングで利用していても非常に高速で快適です。
価格帯もデータ専用SIMなら月299円〜、音声通話付SIMでも月999円〜利用でき、利用する通信量によって段階的に金額が上がっていき、最大10GB利用しても2,470円(データ専用SIM)、3,170円(音声通話付SIM)とかなり安く、格安SIMの平均的な料金なのでコストパフォーマンスはかなりよいです。
私自身もFREETELの音声通話付SIMをメインに使っており、身内などにもオススメするほど、安定していて一番評価している格安SIMです。
FREETELは以前はU-mobileの回線を借りて運用をしていましたが速度が遅くユーザの評判はあまりよくないSIMでした。そこから自前で回線をドコモから直接借りるよう運用を変えてから状況が変わり、最近のよい状況につながっています。
最近だと、イオンモバイルが同じような動きを見せています。もともとは他社MVNOのSIMをイオンのブランドで販売していましたが自前で回線をドコモから調達する方針に切り替えることを発表しました。解約料金に対する考え方なども他社とは一線を画しています。イオンモバイルは今後人気が出る可能性があり、私も注目しているMVNOのひとつです。
爆速の楽天モバイル
楽天モバイルもここ最近は安定して速くなってきた格安SIMです。
昼12〜13時の低速になってしまう時間以外は30〜50Mbpsの速度が出ることも多く、かなり速いです。昼12〜13時でもだいたい10〜15Mbpsくらいの速度が出るため速度に関しては不安は今のところありません。3日間の通信上限があり、超過すると速度制限されますがここが気にならないユーザにとっては有力な選択肢のひとつとなります。
楽天モバイルは5分かけ放題プラン(1回5分以内の国内通話ならば何度電話してもオプション料金の月850円で通話し放題)などもあり総合的にコストパフォーマンスが高くよい格安SIMです。
ユーザが増えているようですが設備増強もしっかりしている印象があります。
「使い放題プラン」がある格安SIMの契約は注意が必要
「ぷららモバイル」や「U-mobile(ユーモバイル)」「b-mobile」には通信容量上限なしの使い放題プランがあります(U-mobileは厳密には別途3日間の上限などはある)。これらの使い放題はユーザからかなり人気があり動画などを見るヘビーユーザが多く常に回線はパンパンの状態です。
そのため今現在は普通に使えても、ある時いきなり使い物にならないくらい遅くなる可能性があります。実際に過去にも起こっていて、「そこそこの速度が出る」→「遅すぎて使いものにならない」ということを繰り返しているのが現状です。最低利用期間があるプランを選ぶと遅すぎる時に解約しようとしても違約金を取られたりするため、注意が必要です。
また使い放題プランは平日昼はもちろんのこと、平日17時以降に徐々に速度が低下し、20時過ぎには200〜300kbps程度に落ち込む傾向があります。
もちろん速度が出て使えていれば使い放題という素晴らしいサービスであるので、サブの端末で契約するなど状況に応じた判断が必要だと私は思います。
格安SIM速度についてのまとめ
- 平日昼の12〜13時には格安SIMの速度が劇的に遅くなるので注意する
- 昼の時間帯にスマホでネットをするならば、昼12〜13時の時間帯でも速度が低下しない「FREETEL」や「楽天モバイル」などの格安SIMがオススメ。