「IP電話」を格安スマホで便利に使いこなす

ここでは格安SIMを利用する上でとても便利になる「IP電話」について解説しています。

IP電話は「聞いたことはあるけどよくわからない」という人もいるかと思います。IP電話はインターネット経由で電話がつながるサービスで、050から始まる電話番号で格安で利用できます。

IP電話とはインターネット経由でつながる格安料金の電話

IP電話はネット回線を利用してインターネット経由でつながる電話です。IP電話同士はもちろんのこと、普通の固定電話や、携帯電話にも電話をかけられます。050から始まる電話番号が与えられ、着信もできます。普通の電話として利用ができ大変便利です。

IP電話サービスの代表的なものとしては以下があります。

  • 楽天コミュニケーションズの「SMARTalk」(IP-Phone SMART)
  • NTTコミュニケーションズの「050 plus」
  • ケイ・オプティコムの050IP通話アプリ「LaLa Call(ララコール)」

IP電話は基本料金も安く、SMARTalkは無料、050Plusは324円/月額、LaLaCallは108円/月額の基本料金と安く利用できます。また同じ系列の会社が運営する格安SIMとの連携で基本料金が安くなる場合があり、050PlusはOCNモバイルONE(音声SIMのみ)、LaLa Callはmineoとの連携で無料で利用することができます。

格安SIMでインターネット接続専用の「データ通信専用SIM」でもIP電話を利用することができます。つまり090〜や080〜の番号を持っていなくても電話が使えるのです。普通に電話として利用する分には何も問題はありません。音声通話機能付きSIMでも、もちろん利用が可能です。

データ通信専用SIMは音声通話機能付きSIMよりも基本料金が安く差額700円(月額)なので、データ通信専用SIMでIP電話を利用すれば大幅な節約ができます。

また同じ会社のIP電話同士は無料で通話ができます。例えばAさんがSMARTalkで、BさんのSMARTalkの050~番号へ電話をかける場合は通話料金が無料となります。ただしIP電話はインターネット経由で電話をかけるため、ネット通信をするため格安スマホで運用する場合はその通信量が消費されます。目安としてだいたい5分程度の音声通話で1〜2MB程度の通信量を消費します。

さらに提携しているIP電話事業者同士であれば、他IP電話会社の番号へかけても無料になることもあります。

一番のオススメはSMARTalk(IP-Phone SMART) 月額料金が無料で使える!

「SMARTalk」アプリで利用できる、楽天コミュニケーションズ株式会社が運営する「IP-Phone SMART」は初期費用・月額料金が無料のため一番オススメできるIP電話です。

アプリをインストールして利用するものになるため格安スマホとの相性もよく、通話料は携帯電話、PHS、固定電話への通話が全て8円/30秒とかなり安いです。初期費用・月額料金が無料であり、さらに留守番電話・非通知・指定番号の着信拒否サービスなど全て無料というところもかなり魅力的です。

国際電話を使う場合もかなり安く、「8円/30秒」(対応地域のみ)と超格安です。海外にいても現地のSIMを使ったりWi-Fiに接続してネットに接続さえ出来れば国内と同じ通話料で日本へ電話ができます。海外からの国際電話で安いサービスはなかなか無いのでぜひ持っていたく、海外旅行に行く際にはIP電話を利用できるようにしておくと便利かもしれません。

利用方法は、公式アプリの「SMARTalk」をAppStore、GooglePlayいずれかよりダウンロードして利用できます。

SMARTalkのはじめ方

SMARTalkは簡単にはじめることが可能です。手順は以下のとおりです。

  1. アプリをAppStoreやGooglePlayからインストールします。
  2. 「IP-Phone SMART」サイトの「MYページログイン」から「新規申込」よりメールアドレスなどを入力して認証をします。
  3. アカウントとパスワードを取得したら、インストールしたアプリにて保存(ログイン)します。これで設定は完了となり利用が開始できます。

格安SIM「OCNモバイルONE(音声SIM)」を利用するなら050Plusが無料で使える

050Plusは宣伝もよくしているため最も有名なIP電話サービスといえます。OCNのIP電話サービス「050Plus」を利用する場合は通常、月額基本料金324円(税込)が必要となります。

また格安SIM「OCNモバイルONE」の”音声対応SIMカード”を利用する場合は050Plusが無料で利用できます。OCNモバイルONEを利用するユーザーは050Plusを利用すると便利かもしれませんが、仮に格安SIMを解約したときのことなども考えると、基本料金無料の「SMARTalk」の方がよいと言えます。

IP電話の利用用途はいろいろある

IP電話はいろいろな使い分けが可能になります。

例えば遠方の実家の親に電話をかける場合はIP電話経由で電話して安くする、もしくはその親がスマホを持っていればIP電話を利用してもらいお互い無料で通話するということができます。

あまり自分から電話をかけることがないという方は、IP電話の番号を取得して、格安SIMのデータ通信専用SIMを利用すれば、格安で着信専用の電話番号として保有しておくこともできます。

また、ビジネス専用の電話番号として050~番号を保有し、プライベートの携帯番号と使い分けをするのも非常に有効です。このようにわければIP電話で利用した料金が、仕事で利用した金額ということでお金の面でも切り分けて管理が可能です。

IP電話で注意するべき点

IP電話は安く運用ができお得ですが、注意点もあります。

緊急通報が利用できない

まずは緊急通報が使えない点です。IP電話では110番(警察)、119番(消防)などの緊急通報が使えません。これについては注意が必要です。サービスによりますが、0120、0570などの一部の電話番号や、117の時報、177の天気予報などの3桁の電話番号も利用ができません。(天気予報などは市外局番をつければ利用できることもあるようです)

インターネットにつながらない場合は利用ができない

インターネット回線を使うので、インターネットにつながらないところでは利用ができません。ただ格安SIMで利用する場合、電波のカバー率はかなり高いので山奥などに行かない限り、通常は問題なく利用ができます。またネット回線が混雑していると発信だけでなく、着信にも影響があることも注意が必要です。

IP電話の電話番号は050~はじまる番号になる

IP電話は必ず”050-△△△△-△△△△”という番号になり、IP電話を使っていることが相手にわかります。通常は問題ないと思いますが、090~や080~にこだわりがある人には向きません。

最近ではLINEなどの無料のメッセンジャーアプリ同士でアプリの機能で無料で通話ができるので電話自体する機会が減っていると思います。とりあえず電話も持っておきたいという方はIP電話を保持して、格安SIMのデータ通信専用SIMで安く運用するのは賢い選択肢のひとつと言えます。